YIA受賞者・報告記
2024年度 (第34回日本心血管画像動態学会) 受賞者
- 氏名
- 臼井 英祐
- 所属
- 土浦協同病院
- 発表学会名
- American College of Cardiology (ACC) 2024
- 会期
- 2024年4月6日~8日
- 演題名
- Myocardial Bridging is Associated With the Absence of Lipid-Rich Plaque Underneath Intact Fibrous Cap in Patients With Acute Coronary Syndrome
- 発表形式
- ポスター展示
学会参加報告記
2024年4月6日から8日にかけて米国アトランタで開催されたAmerican College of Cardiology 2024 (ACC.24)に現地参加をして参りました。ACCは心血管疾患に関する学会としては最大規模のものであり、臨床のテーマを多く扱っていることで知られています。ジョージア州アトランタは初めて訪問しましたが天気は良く湿度は低く、南部といっても大変過ごしやすい気候でした。
私の発表は、左冠動脈前下行枝中間部に好発するMyocardial bridgingという解剖学的形態に注目し、これとその上流にできたPlaque morphologyとの関係を見た報告となります。急性冠症候群の責任病変を光干渉断層法(OCT)でPlaque rupture、Intact fibrous cap (with or without lipid)と分類した場合に、Myocardial bridgingの存在は有意にIntact fibrous cap without lipidと相関していたとするものであり、特に脂質成分を有さない急性冠症候群の発症機序を解明する上で有用な結果と考えております。近年Non-invasive imagingや心不全、Structural heart diseaseの研究が主流となってくる中Intracoronary imagingの単施設研究を採択いただいたことは自信になるとともに、質の高い臨床研究を続けていくことのモチベーションとなりました。Late-breaking sessionではInteratrial shunt、Coronary sinus reducerなどの最新の治療機器の臨床治験結果が報告されるとともに、当院も参加したEMPACT-MI、不安定プラークへの予防的血行再建の効果を検証したPREVENT trialなど多くの研究成果が報告され大いに刺激を受けました。留学先でお世話になった先生方・留学中の元同僚との再会も嬉しいことでした。アメリカのステーキとハンバーガーは相変わらず美味でありました。
今回は折しも歴史的な円安のさなかということもありお財布には厳しい出張となりました。参加にあたり、助成を下さいました日本心血管画像動態学会の関係者の皆様方へ、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。