YIA受賞者・報告記
2015年度(第25回日本心血管画像動態学会) 受賞者
- 氏名
- 塩野 泰紹
- 所属
- 和歌山県立医科大学 循環器内科
- 発表学会名
- Euro PCR 2015
- 会期
- 2015年5月19日〜22日
- 演題名
- Impact of the Distribution of Hemodynamically Significant Coronary Stenosis Assessed by Fractional Flow Reserve on the Patency of Bypass Graft
- 発表形式
- 口演
学会参加報告記
2015年5月19日〜22日の4日間、フランスの首都パリで開催されたEuro PCR 2015に参加させていただきました。本学会は循環器疾患のなかでも、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、弁膜症、先天性心疾患、高血圧、心不全などに対するカテーテルインターベンションにフォーカスした学会です。参加者は世界各国から12000人を越え、726の演題発表がありました。そのなかで最も多いのは冠動脈疾患に関する演題で474演題ですが、それに次いで弁膜症や先天性心疾患を対象にした、いわゆるstructural heart diseaseに関する演題が155演題と多かったのが印象的でした。近年日本でも承認された大動脈弁狭窄症に対するTAVIのライブも行われており、structural heart diseaseに関するインターベンション治療は世界的にも注目されていることが実感されました。
私はFractional Flow Reserve(FFR)と冠動脈バイパス手術の治療成績に関する演題を口演発表しました。同じセッションでは7演題中3演題が日本からの報告であったため非常に心強く感じたとともに、冠循環生理学の領域における日本の学術レベルを世界に示すことができたのはとても大きな意味があったと思います。しかしFFRやinstantaneous wave-free ratio(iFR)など冠循環に関して世界に大きなインパクトを及ぼす研究は欧米主導であることも事実でありこの領域に関してますます日本のレベルアップの必要性も痛感させられました。
学会の合間にはパリの美しい街並み、芸術、フランス料理などを楽しむとともに、各国からの参加者と英語でコミュニケーションするなど語学勉強兼文化交流もできました。また学会終了後は留学を予定しているロンドンに立ち寄ってきました。パリ−ロンドン間は電車で2時間30分程度で移動できヨーロッパは国境を越えるのが比較的容易で国際交流しやすい環境であり、島国である日本との違いを実感しました。今回のEuro PCR 2015を通して貴重な経験が数多くでき臨床・研究に対するモチベーションが刺激され実り多い学会参加になりました。本学会に参加するにあたって助成を頂きました日本心血管画像動態学会の関係者の皆様方にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。
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- パリの象徴エッフェル塔
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- 学会メインアリーナ
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- 学会最終日の口演発表
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- 学会参加グッズ